キッチンカーは、店舗を構えるよりも初期費用を抑えられ、自分のペースで開業しやすいことから人気を集めています。一方で、「営業許可は何が必要?」「開業届は提出するべき?」「保健所にはいつ相談すればいいの?」など、初めて開業する方にとっては分からないことも多いでしょう。
キッチンカーをスムーズに開業するためには、営業許可だけでなく、税務や経理の準備まで計画的に進めることが大切です。
この記事では、キッチンカー開業に必要な手続きや許可、資格、届出、開業前後にやるべきことを初心者にも分かりやすく解説します。
- キッチンカー開業に必要な手続きの流れ
- 必要な営業許可・資格・届出
- 開業前に準備しておくべきこと
- 開業後の税務・経理・確定申告のポイント
- 経理業務を効率化する方法
監修
大石 英樹(おおいし ひでき)
かいせい税理士法人 代表
大阪市淀川区を拠点に、フリーランス・個人事業主から法人まで幅広い税務顧問を手がける。豊富な実務経験と機動力を武器に、確定申告・記帳・資金調達・事業承継まで一貫してサポート。「経営者の良きパートナー」をモットーに、わかりやすい税務アドバイスを提供している。

キッチンカーを開業するにはどのような手続きが必要?
結論:営業許可だけではなく、税務・設備・事業準備まで含めて進める必要があります。
一般的な開業までの流れは次のとおりです。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| ①事業計画を作成 | メニュー・販売場所・資金計画を決める |
| ②キッチンカーを準備 | 新車・中古・製作を選ぶ |
| ③食品衛生責任者を取得 | 営業に必要な資格 |
| ④営業許可を取得 | 保健所で申請する |
| ⑤開業届を提出 | 税務署へ提出 |
| ⑥青色申告承認申請書を提出 | 節税メリットを受けるため |
| ⑦営業開始 | 売上・経費を記録する |
この順番で進めることで、開業後の手続き漏れを防げます。
なお、営業許可の審査には一定の期間がかかる場合があります。イベント出店日が決まっている場合は、余裕を持って準備を始めましょう。
キッチンカー営業にはどんな許可・資格が必要?
結論:食品衛生責任者の資格と保健所の営業許可が必須です。
主に必要になるものは次のとおりです。
- 食品衛生責任者
- 保健所の営業許可
- 出店場所との契約
- 必要に応じて火気使用届など
食品衛生責任者は、各都道府県の講習を受講することで取得できます。
営業許可では、シンクや給排水タンク、冷蔵設備などが基準を満たしている必要があります。
また、2021年からはHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が制度化されており、衛生管理計画の作成や日々の記録が求められます。
さらに、イベント会場や商業施設では、営業許可とは別に出店契約や施設利用申請が必要になるケースもあります。
ポイント
自治体によって設備基準や必要書類が異なるため、キッチンカーを購入・製作する前に管轄保健所へ相談しておくことをおすすめします。
開業届や青色申告承認申請書は提出したほうがよい?
結論:どちらも提出することをおすすめします。
開業届
開業届は、個人事業を始めたことを税務署へ届け出る書類です。
提出することで、
- 事業用口座の開設
- 融資の申し込み
- 各種補助金申請
などで役立つ場合があります。
青色申告承認申請書
青色申告を利用すると、一定の条件を満たした場合に青色申告特別控除などの税制上のメリットを受けられます。
帳簿付けは必要になりますが、節税につながる可能性があるため、多くの個人事業主が活用しています。
キッチンカー開業前に準備しておくべきことは?
結論:開業後に困らないよう、資金・設備・販売計画まで準備しておきましょう。
準備しておきたい項目は次のとおりです。
資金計画を立てる
キッチンカーは車両代だけでなく、
- 厨房設備
- 食材
- 包装資材
- 保険料
- 出店料
などの費用も発生します。
開業資金を把握しておくことで、無理のない事業計画を立てられます。
出店場所を確保する
売上は出店場所によって大きく変わります。
イベント、オフィス街、商業施設、道の駅など、ターゲットに合った販売場所を確保しておきましょう。
保険への加入
事故や食中毒などのリスクに備え、生産物賠償責任保険(PL保険)への加入を検討すると安心です。
キッチンカー開業後に必要な税務・経理の手続きは?
結論:毎日の記帳を習慣化することが、確定申告を楽にする最大のポイントです。
開業後は、
- 売上管理
- 現金管理
- キャッシュレス売上管理
- 経費入力
- 領収書保管
を継続して行います。
経費として計上できるものには、
- 食材費
- ガソリン代
- 駐車場代
- 消耗品費
- 包装資材
- 通信費
- 広告宣伝費
などがあります。
プライベートと事業のお金を分けて管理すると、帳簿付けの手間を大幅に減らせます。
また、会計ソフトを活用すると、日々の記帳から確定申告まで効率よく進められます。
よくある質問(FAQ)
キッチンカーは開業届を提出しなくても営業できますか?
営業自体は可能な場合がありますが、個人事業として事業を行う場合は開業届を提出することをおすすめします。
営業許可はどれくらいで取得できますか?
申請内容や自治体によって異なります。余裕を持ったスケジュールで準備しましょう。
キッチンカーは青色申告がおすすめですか?
節税メリットを受けられる可能性があるため、多くの個人事業主に選ばれています。
会計ソフトは導入したほうがよいですか?
記帳や確定申告を効率化できるため、開業当初から導入することをおすすめします。
まとめ
キッチンカー開業では、営業許可だけではなく、税務や経理まで含めた準備が重要です。
開業前には次のポイントを確認しましょう。
- 食品衛生責任者を取得する
- 保健所で営業許可を取得する
- 開業届・青色申告承認申請書を提出する
- 資金計画・出店場所を準備する
- 毎日の記帳体制を整える
また、制度や設備基準は自治体や法改正によって変更される場合があります。最新情報は管轄の保健所や税務署、国税庁などで確認しながら準備を進めましょう。
キッチンカーの経理業務を効率化して本業に集中するなら
キッチンカー事業では、営業後に売上集計や経費入力、領収書整理などの経理業務が発生します。営業と事務作業を一人でこなすのは想像以上に負担が大きく、本来力を入れたい商品開発や接客、販路拡大に十分な時間を確保できないこともあります。
そのような場合は、記帳代行アクリーのような記帳代行サービスを活用することで、日々の帳簿作成や経理業務の負担を軽減できます。
こんな方におすすめです。
- 記帳作業に時間を取られたくない
- 確定申告の準備を効率化したい
- 経理に不安があり専門家に相談したい
- 本業である営業やメニュー開発に集中したい
経理体制を早い段階で整えることは、事業を安定して継続するための大切な投資です。記帳業務を効率化し、安心してキッチンカー経営に取り組みましょう。


