飲食店を開業したいと考えていても、「何から手続きを始めればいいのかわからない」「営業許可や開業届はいつ提出するの?」と悩む方は少なくありません。飲食店の開業には、税務署だけでなく保健所や消防署など、複数の機関への届出が必要になるケースがあります。事前に必要な手続きを把握しておくことで、スムーズに開業準備を進められます。
- 飲食店開業に必要な手続きの全体像
- 税務署・保健所・消防署で必要な届出
- 開業時に注意すべきポイント
- 開業後の経理・記帳を効率化する方法
監修
大石 英樹(おおいし ひでき)
かいせい税理士法人 代表
大阪市淀川区を拠点に、フリーランス・個人事業主から法人まで幅広い税務顧問を手がける。豊富な実務経験と機動力を武器に、確定申告・記帳・資金調達・事業承継まで一貫してサポート。「経営者の良きパートナー」をモットーに、わかりやすい税務アドバイスを提供している。

飲食店を開業するにはどのような手続きが必要?
飲食店を開業するには、複数の行政機関で必要な手続きを行う必要があります。
飲食店は一般的な小売業とは異なり、食品を扱うため衛生管理や防火対策などが法律で定められています。そのため、税務関係だけでなく営業許可の取得も欠かせません。
主な手続きは次のとおりです。
- 開業届の提出
- 青色申告承認申請書の提出(希望者)
- 営業許可の取得
- 食品衛生責任者の設置
- 防火管理者の選任(一定規模以上)
- 必要に応じて消防署への届出
例えばカフェを開業する場合でも、店舗工事が完了した後に保健所の検査を受け、営業許可を取得してから営業を開始します。開業日から逆算してスケジュールを立てることが重要です。
税務署で行う手続きは?開業届や青色申告承認申請書を解説
税務署では、個人事業主として事業を始めるための手続きを行います。
まず提出するのが「開業届」です。開業届を提出することで、正式に個人事業主として事業を開始できます。
また、節税メリットを受けたい場合は「青色申告承認申請書」も提出しましょう。
主な書類は以下のとおりです。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
- 給与支払事務所等の開設届(従業員を雇う場合)
青色申告を利用すると、一定の要件を満たすことで青色申告特別控除を受けられるほか、赤字の繰越などのメリットもあります。
開業後すぐに記帳を始めることで、確定申告の負担を大きく軽減できます。
保健所で必要な営業許可や食品衛生責任者の手続きとは?
飲食店を営業するには、保健所から営業許可を取得する必要があります。
営業許可は店舗完成後に保健所の立入検査を受け、基準を満たしていることが確認されると交付されます。
また、営業許可とは別に、店舗ごとに食品衛生責任者を設置しなければなりません。
営業許可取得までの流れは次のようになります。
- 保健所へ事前相談
- 店舗工事
- 営業許可申請
- 保健所の施設検査
- 営業許可証の交付
- 営業開始
例えば、シンクの数や手洗い設備などは基準が細かく定められています。工事後に修正が必要になると開業が遅れるため、設計段階から保健所へ相談しておくと安心です。
消防署やその他の行政機関で必要な届出はある?
店舗の規模や設備によっては、消防署への届出も必要になります。
火気を使用する飲食店では、防火管理や消防設備の設置が求められる場合があります。
代表的な届出には以下があります。
- 防火対象物使用開始届
- 火を使用する設備等の届出
- 防火管理者の選任届(対象店舗)
- 消防用設備の設置確認
また、酒類を提供する場合や深夜営業を行う場合は、営業形態によって追加の届出が必要になることがあります。
事前に管轄の消防署へ相談しておくことで、開業直前のトラブルを防げます。
飲食店開業の手続きを進める際の注意点は?
開業手続きは、順番とスケジュール管理が重要です。
営業許可が下りる前にオープン日を設定してしまうと、予定どおり営業できなくなる可能性があります。
特に注意したいポイントは次のとおりです。
- 開業日から逆算して準備する
- 保健所への事前相談を行う
- 開業後すぐに帳簿付けを始める
- 領収書や請求書を保管する
- 必要書類はコピーを残す
開業準備はやることが多く、経理まで手が回らないケースも少なくありません。しかし、開業初日から記帳を習慣化することで、確定申告時の負担を大幅に減らせます。
よくある質問(FAQ)
Q. 開業届は提出しないといけませんか?
法律上、事業開始後は速やかに提出することが推奨されています。事業の実態を明確にするためにも提出しておきましょう。
Q. 営業許可が下りる前に営業できますか?
できません。営業許可証の交付後に営業を開始してください。
Q. 青色申告は必ず申請したほうがよいですか?
節税メリットが大きいため、継続して事業を行う予定であれば申請をおすすめします。
Q. 開業時から会計ソフトは必要ですか?
必須ではありませんが、日々の記帳を効率化し、確定申告の準備もスムーズになります。
まとめ
飲食店の開業には、税務署への開業届だけでなく、保健所での営業許可や食品衛生責任者の設置、必要に応じた消防署への届出など、多くの手続きがあります。
スムーズに開業するためには、各手続きの期限や流れを事前に把握し、余裕を持って準備を進めることが大切です。また、開業後は日々の記帳や領収書の管理を徹底することで、確定申告や経営状況の把握がしやすくなります。
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