軽貨物ドライバーとして独立すると、配送だけでなく、売上やガソリン代、高速道路料金などの記帳も必要になります。「仕事が終わってから帳簿を付けるのが大変」「確定申告の直前にまとめて処理している」という方も多いのではないでしょうか。

そんな経理の負担を減らすのに役立つのが会計ソフトです。この記事では、会計ソフトでできることや選び方、代表的なサービスを初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 会計ソフトを使うと経理がどうラクになるのか
  • 自分に合った会計ソフトの選び方
  • 代表的な会計ソフトとそれぞれの特徴
  • 会計ソフトを使う際に知っておきたい注意点

監修

大石 英樹(おおいし ひでき)
かいせい税理士法人 代表

大阪市淀川区を拠点に、フリーランス・個人事業主から法人まで幅広い税務顧問を手がける。豊富な実務経験と機動力を武器に、確定申告・記帳・資金調達・事業承継まで一貫してサポート。「経営者の良きパートナー」をモットーに、わかりやすい税務アドバイスを提供している。

公式サイト:http://www.kaisei-tax.com/

会計ソフトを使うと経理はどうラクになる?

結論からいうと、会計ソフトを使えば、売上や経費の入力・集計から確定申告の準備までを効率化できます。

軽貨物ドライバーは、配送による売上だけでなく、ガソリン代、高速道路料金、駐車場代、車両の修理代など、さまざまなお金の出入りがあります。

これらを手書きや表計算ソフトで管理することも可能ですが、取引が増えるほど入力や集計に時間がかかります。

クラウド型の会計ソフトには、銀行口座やクレジットカードなどと連携して取引明細を取得できるものがあります。

たとえば、事業用クレジットカードでガソリン代を支払った場合、カード明細を取り込み、内容を確認して取引として登録できます。毎回金額や日付を一から入力する必要がないため、手入力の負担を減らせます。

登録した取引をもとに帳簿や決算書類などを作成できるほか、確定申告をサポートする機能を備えたサービスもあります。

ただし、会計ソフトに明細を取り込めば、すべて自動的に正しい帳簿になるわけではありません。

取引内容や勘定科目、事業用・私用の区分などを確認する必要があります。

会計ソフトは経理を丸ごと自動化するものではなく、日々の記帳や集計を効率化するためのツールと考えるとよいでしょう。

自分に合った会計ソフトはどう選べばいい?

パソコンで会計ソフトを検討する軽貨物ドライバー

会計ソフトを選ぶときは、料金だけでなく、自分の経理方法に合っていて無理なく使い続けられるかを確認することが大切です。

まず確認したいのが、銀行口座やクレジットカードとの連携です。

事業用の口座やカードを連携できれば、取引明細を取り込んで記帳に活用できます。軽貨物ドライバーの場合は、ETCカードなど普段利用しているサービスの明細をどのように取り込めるかも確認しておくとよいでしょう。

次にチェックしたいのが、スマートフォンでの使いやすさです。

配送中はパソコンを開く機会が少ないため、スマートフォンから取引を確認したり、領収書を撮影して保存したりできると便利です。

また、個人事業主であれば、青色申告・白色申告への対応やe-Taxによる電子申告への対応状況も確認しておきましょう。

青色申告特別控除には55万円、一定の要件を満たした場合の65万円、10万円の区分があります。65万円の控除を受けるには、55万円控除の要件を満たしたうえで、e-Taxによる期限内の電子申告または一定の電子帳簿保存などの要件を満たす必要があります。

そのため、「会計ソフトを使っているから65万円控除を受けられる」というわけではありません。利用する機能だけでなく、自分が必要な申告要件を満たせるかも確認しておくことが重要です。

なお、税制は改正されることがあるため、申告する年分の最新情報を確認してください。

おすすめの会計ソフトは?

領収書を確認しながら会計ソフトを使う軽貨物ドライバー

個人事業主向けの代表的なクラウド会計ソフトには、freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告、やよいの青色申告 オンラインなどがあります。

freee会計

freee会計は、銀行口座やクレジットカードなどから明細を取得でき、日々の取引登録から確定申告まで対応しているクラウド会計ソフトです。

スマートフォンアプリにも対応しており、質問に答えながら確定申告書類の作成を進められる仕組みも用意されています。

そのため、簿記の知識にあまり自信がなく、画面の案内に沿って経理を進めたい方は比較候補にしやすいでしょう。

マネーフォワード クラウド確定申告

マネーフォワード クラウド確定申告は、銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を取得し、入力作業を効率化できるクラウド型サービスです。

事業用口座やカードを積極的に利用しており、取引データを取り込んで記帳の手間を減らしたい方にとって比較候補になります。

やよいの青色申告 オンライン

やよいの青色申告 オンラインは、個人事業主向けのクラウド型確定申告ソフトです。

取引の入力・記帳から確定申告書の作成、e-Taxによる申告まで対応しており、金融機関との連携やスマートフォンアプリなども用意されています。

そのため、日々の記帳から青色申告まで一つのサービスで管理したい方は検討しやすいでしょう。

どれが一番優れているかは、利用する機能や経理経験によって変わります。

会計初心者なら操作のわかりやすさ、取引件数が多いなら明細連携、自分で確定申告まで行うなら申告機能など、重視するポイントを決めて比較しましょう。

なお、料金・プラン・機能・対応する金融機関などは変更される可能性があります。契約前には各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 軽貨物ドライバーは会計ソフトを使わないといけませんか?

会計ソフトの利用そのものが義務付けられているわけではありません。

ただし、個人で事業を行う場合には、申告方法などに応じて必要な記帳や帳簿・書類の保存を行う必要があります。白色申告者についても、事業所得などがある場合は記帳・帳簿等の保存制度があります。

そのため、「会計ソフトを使わない=帳簿を付けなくてよい」という意味ではありません。

手書きや表計算ソフトなどで必要な帳簿を作成することもできますが、取引件数が多い場合は会計ソフトを使ったほうが記帳や集計を効率化しやすいでしょう。

Q. ガソリン代や高速道路料金は経費にできますか?

配送業務のために必要なガソリン代、高速道路料金、駐車場代などは、事業に必要な支出であれば必要経費になり得ます。

ただし、仕事とプライベートの両方で同じ車を使用している場合は注意が必要です。

家事上の費用は必要経費になりません。仕事と私生活の両方に関係する費用については、取引記録などをもとに、業務上必要な部分を明確に区分できる場合、その部分を必要経費に算入できます。

たとえば、走行距離など事業利用の実態を説明できる合理的な基準を用いて、業務で使用した部分を区分して管理する方法が考えられます。

Q. 会計ソフトを使えば税理士や記帳代行は必要ありませんか?

自分で正しく記帳できるのであれば、必ずしも税理士や記帳代行を利用する必要はありません。

ただし、会計ソフトを導入しても、取引内容の確認や事業用・私用の区分など、利用者自身の判断が必要になる場面があります。

「配送が忙しくて毎月の記帳が追いつかない」「領収書や明細をためてしまう」という場合は、記帳代行を利用して作業時間を減らすのも一つの方法です。

なお、個別具体的な税務判断や税務相談が必要な場合は、税理士などの専門家への相談を検討しましょう。

まとめ

軽貨物ドライバーは、配送業務だけでなく、売上やガソリン代、高速道路料金、車両関連費などを継続的に記帳する必要があります。

会計ソフトを活用すれば、銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を取り込み、日々の入力や集計、確定申告の準備を効率化できます。

選ぶ際は、金融機関などとの連携、スマートフォンでの使いやすさ、確定申告への対応、サポート体制、料金を比較するとよいでしょう。

一方で、会計ソフトを導入しただけで正しい帳簿が完成するわけではありません。大切なのは、取引内容を確認しながら、売上や必要経費を適切に記録し続けることです。

「どの会計ソフトが高機能か」だけでなく、自分が無理なく経理を続けられる方法はどれかという視点で選びましょう。

記帳や経理の負担を減らしたいならアクリーも選択肢

会計ソフトは経理を効率化する便利なツールですが、ソフトを導入しても記帳そのものがなくなるわけではありません。

銀行やカードの明細を確認したり、領収書を整理したり、取引内容に応じて記帳したりする作業は残ります。

特に軽貨物ドライバーは配送に多くの時間を使うため、「仕事が終わってから帳簿を付ける余裕がない」「確定申告前になると領収書や明細がたまっている」ということもあるでしょう。

そのような場合は、会計ソフトを自分で操作するだけでなく、記帳業務を外部に任せることも選択肢です。

記帳代行アクリーを活用すれば、日々の記帳にかかる時間や手間を減らし、本業である配送業務に集中しやすくなります。

「会計ソフトを導入しても記帳を続けられるか不安」「経理に使う時間をできるだけ減らしたい」という方は、自分で記帳する方法と記帳代行を利用する方法を比較し、自分に合った経理の仕組みを検討してみてください。

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