美容師として独立したり、自宅の一部をサロンとして利用したりしていると、「家賃は経費になるの?」「どこまで経費計上していいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
家賃は事業に使用している部分であれば経費にできますが、自宅兼サロンの場合は「家事按分」が必要です。按分方法を誤ると、税務上の指摘を受ける可能性もあるため、正しい考え方を理解しておくことが大切です。
この記事では、美容師が家賃を経費にできる条件や家事按分の方法、勘定科目、注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
- 美容師が家賃を経費にできる条件
- 自宅兼サロンで必要になる家事按分の考え方
- 家賃以外に家事按分できる費用
- 家賃を経費計上する際の注意点と仕訳方法
監修
大石 英樹(おおいし ひでき)
かいせい税理士法人 代表
大阪市淀川区を拠点に、フリーランス・個人事業主から法人まで幅広い税務顧問を手がける。豊富な実務経験と機動力を武器に、確定申告・記帳・資金調達・事業承継まで一貫してサポート。「経営者の良きパートナー」をモットーに、わかりやすい税務アドバイスを提供している。

美容師の家賃は経費になる?
結論として、事業のために使用している部分の家賃は経費として計上できます。
個人事業主が支払う家賃は、事業に必要な支出であれば経費になります。店舗やテナントを借りて営業している場合は、その家賃は原則として「地代家賃」として経費計上できます。
一方、自宅の一部をサロンや事務スペースとして利用している場合は、生活費と事業費が混在しています。そのため、家賃全額を経費にすることはできず、事業で使用している部分のみを経費として計上します。
例えば、施術専用の部屋を設けている場合や、予約管理・会計処理・在庫管理などを行うスペースを使用している場合は、その利用状況に応じて家賃を経費にできます。
自宅兼サロンの場合は家事按分できる?

はい。自宅兼サロンの場合は「家事按分」を行い、事業で使用した割合のみを経費にします。
家事按分とは、仕事と私生活の両方で使用している費用を、合理的な基準で事業用と私用に分けることです。
代表的な按分方法には次のようなものがあります。
- 使用面積で按分する
- 使用時間で按分する
- 面積と使用時間を組み合わせる
例えば、
- 家賃:120,000円
- 自宅面積:80㎡
- サロンとして使用している面積:20㎡
であれば、
20㎡ ÷ 80㎡ = 25%
となり、毎月30,000円を経費として計上するという考え方になります。
ただし、実際には部屋の利用状況や営業時間なども考慮し、事業の実態に合った合理的な方法で按分することが重要です。
家賃以外に家事按分できる費用はある
家賃以外にも、事業利用分については家事按分できる費用があります。
代表的なものは以下のとおりです。
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- インターネット代
- 固定電話代
- 共益費・管理費
- 火災保険料(事業利用部分に対応するもの)
例えば、美容師はドライヤーや照明、エアコンなどを長時間使用するため、事業利用分の電気代を経費にできる場合があります。
また、予約管理システムやSNS運用、オンライン講習などでインターネットを利用している場合は、通信費の一部を経費計上できるケースもあります。
それぞれの費用についても、家賃と同様に合理的な按分基準を決め、その根拠を説明できるようにしておきましょう。
家賃を経費計上する際の注意点は?
家賃を経費にする際は、客観的な根拠を持って計上することが重要です。
特に注意したいポイントは次の4つです。
- 私用部分まで経費にしない
- 按分割合を毎年大きく変更しない
- 按分方法の根拠を説明できるようにしておく
- 賃貸借契約書や間取り図などを保管しておく
税務調査では、「なぜこの割合なのか」を確認されることがあります。
例えば、
- 施術スペースの面積
- 使用時間
- 営業日数
などをもとに按分していることが説明できれば、合理性を示しやすくなります。
一方で、「なんとなく半分くらい」といった根拠のない割合で計上することは避けましょう。
家賃を経費にする際の仕訳・勘定科目は?

家賃は一般的に「地代家賃」の勘定科目で処理します。
例えば、
- 毎月の家賃:100,000円
- 家事按分:30%
の場合、経費として計上できる金額は30,000円です。
仕訳例
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 地代家賃 30,000円 | 普通預金 30,000円 |
なお、実際の記帳方法は利用している会計ソフトや帳簿の付け方によって異なる場合があります。
また、個人事業主は私用部分を経費に含めないよう注意し、事業利用分のみを計上することが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 持ち家でも家賃は経費になりますか?
持ち家には家賃はありませんが、事業利用部分については減価償却費、固定資産税、火災保険料などを経費にできる場合があります。また、住宅ローンについては、一定の条件を満たす場合に利息部分のみが経費となるケースがあります。
Q. ワンルームでも家事按分できますか?
はい。ワンルームでも、事業利用部分や利用時間などを合理的に説明できる場合は、家事按分を行える可能性があります。
Q. 家事按分は何%まで認められますか?
一律の割合はありません。面積や使用時間など、事業の実態に基づいた合理的な割合で計算することが重要です。
まとめ
美容師が家賃を経費にできるかどうかは、事業で使用しているかどうかが判断のポイントです。
自宅兼サロンの場合は、家事按分によって事業利用分のみを経費計上します。合理的な按分方法を採用し、その根拠を残しておくことで、安心して経費計上できます。
今回のポイントをまとめると、
- 店舗の家賃は原則として経費になる
- 自宅兼サロンは家事按分が必要
- 面積や使用時間など合理的な基準で按分する
- 光熱費や通信費なども按分できる場合がある
- 按分の根拠となる資料は保管しておく
- 税法や会計ルールは改正されることがあるため、最新情報を確認しながら対応することも大切
適切な経費計上は節税につながるだけでなく、税務リスクを減らすことにもつながります。
経費管理に迷ったら記帳代行サービスの活用もおすすめ
自宅兼サロンを運営していると、家事按分や勘定科目の判断、毎月の記帳などに多くの時間がかかります。
「この家賃はどこまで経費になる?」「光熱費は何%で按分すればいい?」「帳簿付けに時間を取られて本業に集中できない」と悩む方も少なくありません。
記帳代行アクリーでは、副業・フリーランス・個人事業主向けに記帳代行サービスを提供しています。日々の記帳はもちろん、家事按分や勘定科目に関する疑問にも対応し、正確な帳簿作成をサポートします。
経理業務の負担を減らし、本業に集中したい美容師の方は、記帳代行サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。


