キッチンカーを運営していると、「確定申告は必要?」「食材代やガソリン代は経費になる?」と迷う方も多いでしょう。現金売上やキャッシュレス決済、食材の仕入れ、出店料、車両関連費など取引の種類も多いため、正しい記帳が重要です。この記事では、確定申告の流れから経費にできるもの、申告時の注意点まで初心者向けに解説します。

この記事でわかること
  • 確定申告が必要になるケース
  • 確定申告の基本的な進め方
  • 食材費やガソリン代など経費にできるもの
  • 売上や経費を記帳するときの注意点

監修

大石 英樹(おおいし ひでき)
かいせい税理士法人 代表

大阪市淀川区を拠点に、フリーランス・個人事業主から法人まで幅広い税務顧問を手がける。豊富な実務経験と機動力を武器に、確定申告・記帳・資金調達・事業承継まで一貫してサポート。「経営者の良きパートナー」をモットーに、わかりやすい税務アドバイスを提供している。

公式サイト:http://www.kaisei-tax.com/

確定申告が必要になるのはどんな人?

結論として、キッチンカーの営業で所得が生じ、所得税の申告要件に該当する場合は確定申告が必要です。

所得税は売上そのものではなく、原則として収入から必要経費などを差し引いて計算した所得をもとに税額を計算します。例えば、年間売上500万円、必要経費350万円なら、単純化すると所得は150万円です。実際の税額や申告の要否は、ほかの所得や所得控除なども含めて判断します。

会社員が副業として営んでいる場合は「20万円」という基準を目にすることがあります。年末調整済みの給与所得者など一定のケースでは、給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要になる場合があります。ただし、医療費控除などのために確定申告をする場合は、原則として対象となる所得をすべて申告します。

また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になることがあります。「20万円以下なら何も申告しなくてよい」と判断せず、お住まいの自治体でも確認しましょう。

なお、副業だから必ず雑所得になるわけではありません。事業所得か業務に係る雑所得かは、活動が社会通念上事業といえるか、帳簿書類を記録・保存しているかなど、実態を踏まえて判断されます。

確定申告はどのような流れで進める?

確定申告は、1年間の売上と経費を整理し、所得と税額を計算して申告するという流れで進めます。

事業所得として申告する場合、基本的には次の順番です。

  1. 1年間の売上を集計する
  2. 食材費や出店料などの経費を整理する
  3. 帳簿を作成する
  4. 所得を計算する
  5. 青色申告決算書または収支内訳書を作成する
  6. 確定申告書を作成して提出する
  7. 納付税額があれば期限までに納付する

申告書は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成し、e-Taxで提出することもできます。

キッチンカーは現金、クレジットカード、QRコード決済など売上の受け取り方が複数になりやすいため、確定申告直前にまとめるのではなく、営業日ごとに売上を確認しておくことが大切です。

経費にできるものはどこまで?

キッチンカーの売上と経費をノートに記録する手元

結論として、売上を得るために直接必要な費用や、事業を行うために必要な費用は必要経費にできる可能性があります。

代表的な支出は次のとおりです。

支出例経費としての考え方
販売する料理の食材仕入れに関する費用
容器・割り箸・紙袋消耗品など
出店料営業に必要な費用
ガソリン代事業利用分
車両の修理・整備費事業利用分
調理器具・厨房用品消耗品または固定資産など
チラシ・Web広告広告宣伝に関する費用
スマートフォン代事業利用分

注意したいのが、仕事とプライベートの両方で使っている支出です。例えば車両を私用でも利用している場合、ガソリン代などをすべて経費にするのではなく、走行距離や使用日数など合理的な基準によって事業分を区分します。業務上必要な部分を明確に区分できる金額が必要経費の対象です。

また、キッチンカー本体などの減価償却資産は、原則として購入代金をその年に全額経費にするのではなく、法定耐用年数に応じて複数年に分けて経費化します。取得価額などによって例外もあるため、高額な設備を購入したときは取扱いを確認しましょう。

なお、事業に関係する支出でも何でも経費になるわけではありません。例えば、所得税や住民税そのものは必要経費にはなりません。

売上や経費を記帳するときに注意することは?

確定申告に向けて領収書を整理するキッチンカー事業者

最も重要なのは、売上と経費を漏れなく記録し、取引の根拠となる資料を残しておくことです。

特に現金売上は取引履歴が自動で残りにくいため、営業終了後にその日の売上を集計して記録しましょう。キャッシュレス決済についても、入金額だけで確認すると決済手数料との差額で混乱しやすいため、売上と手数料を分けて管理すると整理しやすくなります。

経費については、領収書やレシートを保存し、「いつ・どこで・何のために支払ったか」が確認できる状態にしておくことが大切です。例えば、販売用食材と自宅用の商品を同じレシートで購入した場合は、事業用の商品が分かるよう整理しておきましょう。

事業所得を生ずべき業務を行う人は、白色申告でも記帳や帳簿・書類の保存が必要です。国税庁は、売上や仕入れ、経費などを帳簿に記載し、帳簿や請求書・領収書などを一定期間保存するよう定めています。

よくある質問(FAQ)

Q. 副業の所得が20万円以下なら確定申告は不要ですか?

一定の給与所得者は所得税の確定申告が不要になる場合がありますが、すべての人に当てはまるルールではありません。また、住民税の申告が必要になる場合もあります。

Q. 赤字でも確定申告した方がいいですか?

青色申告者が一定の要件を満たす場合、事業所得などから生じた純損失を原則として翌年以後3年間繰り越せる制度があります。赤字だから申告不要と決めつけず、申告によるメリットも確認しましょう。

Q. ガソリン代は全額経費にできますか?

営業専用の車両であれば事業との関連性を説明しやすいですが、私用でも使っている場合は、合理的な基準で事業利用分を区分する必要があります。

Q. インボイス登録をしている場合も申告が必要ですか?

インボイス発行事業者として登録している場合は、所得税とは別に消費税・地方消費税の確定申告が必要です。基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、登録中の課税期間は原則として消費税の申告対象になります。

まとめ

キッチンカーの確定申告では、売上と必要経費を正しく記帳し、所得を計算したうえで申告の要否を判断します。

食材費や容器代、出店料、広告費、車両関連費などは経費になる可能性がありますが、事業に必要な支出であることを説明できる状態にしておくことが重要です。

確定申告直前に慌てないよう、日頃から売上・経費を記録し、領収書や決済データなども整理しておきましょう。

確定申告の記帳が大変なら記帳代行アクリー

キッチンカーでは、仕込みや買い出し、移動、接客、片付けなど本業だけでも多くの時間が必要です。そこに売上や仕入れ、出店料、車両関連費などの記帳まで加わると、経理が大きな負担になることもあります。

記帳代行アクリーを活用すれば、日々の記帳にかかる負担を減らし、営業や商品開発など本業に時間を使いやすくなります。

「レシートがたまっている」「記帳に時間を取られている」「確定申告に向けて帳簿を整えたい」という方は、記帳代行の活用を検討してみてください。

アクリーへお気軽にご相談ください!
LINEでいますぐ無料相談