カフェを経営していると、「どこまで経費にできるのだろう?」「経費を正しく計上して節税したい」と悩む方も多いのではないでしょうか。
経費を適切に計上することで、所得税や住民税の負担を抑えられる可能性があります。一方で、経費にできないものを計上してしまうと、税務調査で指摘されるリスクもあります。
この記事では、カフェ経営で経費になるものの一覧や勘定科目、節税のポイントについて初心者にもわかりやすく解説します。
- カフェ経営で経費にできる主な費用
- 食材費や家賃などの勘定科目の考え方
- 経費計上時の注意点
- 節税につながる経理管理のポイント
- 経理業務を効率化する方法
監修
大石 英樹(おおいし ひでき)
かいせい税理士法人 代表
大阪市淀川区を拠点に、フリーランス・個人事業主から法人まで幅広い税務顧問を手がける。豊富な実務経験と機動力を武器に、確定申告・記帳・資金調達・事業承継まで一貫してサポート。「経営者の良きパートナー」をモットーに、わかりやすい税務アドバイスを提供している。

カフェ経営で経費になるものには何がある?

結論からいうと、カフェの売上を得るために必要な支出は基本的に経費として計上できます。
経費とは、事業を運営するために必要な費用のことです。カフェ経営では次のような支出が代表的な経費になります。
- 食材費
- コーヒー豆やドリンク材料費
- 店舗家賃
- 水道光熱費
- 人件費
- 消耗品費
- 広告宣伝費
- 通信費
- 清掃費
- クレジットカード決済手数料
- 会計ソフト利用料
例えば、コーヒー豆や牛乳、砂糖などは商品提供に必要なため経費になります。また、店舗で使用する紙ナプキンやテイクアウト用カップなども経費として計上可能です。
重要なのは「事業との関連性」があることです。プライベートな支出は経費にできません。
カフェの仕入れや食材費はどこまで経費にできる?

カフェの仕入れに関する支出は、基本的に経費として計上できます。
カフェの売上を生み出すためには、食材や飲料の仕入れが不可欠だからです。
主な対象は以下のとおりです。
- コーヒー豆
- 牛乳
- シロップ
- 茶葉
- パン
- ケーキ材料
- 野菜
- 調味料
これらは一般的に「仕入高」や「材料費」として処理します。
例えば、コーヒー豆を3万円分購入した場合は仕入高として計上します。
ただし、自宅用の食材と店舗用の食材を一緒に購入した場合は注意が必要です。事業で使用した分のみを経費として計上しなければなりません。
レシートや領収書を保管し、用途を明確にしておくことが大切です。

カフェではコーヒー豆、牛乳、シロップ、茶葉、食材、お菓子類などの「販売や提供のために保有している在庫」があるため、期末(通常は12月31日)の在庫を集計し、棚卸資産として計上する必要があります。
家賃や光熱費は経費になる?店舗運営に関わる費用の考え方

店舗運営に必要な家賃や光熱費は経費になります。
カフェ営業を継続するために必要な固定費だからです。
具体的には以下が該当します。
- 店舗家賃
- 共益費
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- インターネット利用料
例えば、月15万円の店舗家賃を支払っている場合、その全額を地代家賃として計上できます。
カフェで使用する設備や備品の勘定科目は何になる?
設備や備品は金額によって処理方法が異なります。
一般的に、取得価額が10万円未満のものは消耗品費として処理し、10万円以上のものは「工具器具備品」などの固定資産として処理するケースが多いためです。
主な例は以下のとおりです。
| 購入品 | 10万円未満の場合 | 10万円以上の場合 |
|---|---|---|
| 食器 | 消耗品費 | 工具器具備品 |
| グラス | 消耗品費 | 工具器具備品 |
| テーブル | 消耗品費 | 工具器具備品 |
| 椅子 | 消耗品費 | 工具器具備品 |
| 冷蔵庫 | 消耗品費 | 工具器具備品 |
| エスプレッソマシン | 消耗品費 | 工具器具備品 |
| レジ | 消耗品費 | 工具器具備品 |
※実際の処理方法は購入金額や適用できる税制によって異なる場合があります。
一般的に高額な設備は減価償却によって複数年に分けて経費化します。
例えば、50万円のエスプレッソマシンを購入した場合、購入年度に全額経費ではなく、耐用年数に応じて少しずつ経費計上するケースがあります。
購入前に処理方法を確認しておくと安心です。
広告宣伝費や集客費用は経費として計上できる?

集客のための費用は経費になります。
売上向上を目的として支出する費用だからです。
代表的なものは以下のとおりです。
- SNS広告費
- Google広告費
- チラシ作成費
- ポスティング費用
- ホームページ制作費
- グルメサイト掲載料
- 写真撮影費
例えば、新メニューの告知のためにInstagram広告へ1万円出稿した場合、広告宣伝費として計上できます。
現在はSNSを活用するカフェも多く、広告費は重要な経費の一つです。
集客施策にかかった費用は忘れずに記録しておきましょう。
カフェ経営で節税するために押さえておきたいポイントは?
節税のためには、経費を漏れなく計上することが重要です。
カフェは比較的小規模で運営している店舗も多く、オーナー自身が経理や確定申告を行っているケースも少なくありません。そのため、経費の計上漏れや勘定科目の誤りなどのミスが発生しやすい傾向があります。
こうしたミスを防ぎ、適切に経費を管理することが節税につながります。
特に意識したいポイントは次のとおりです。
- レシートや領収書を保管する
- 事業用口座を分ける
- 会計ソフトを活用する
- 青色申告を利用する
- 経費を定期的に記帳する
例えば、青色申告を活用すると青色申告特別控除を受けられる可能性があります。
また、日頃から経費を整理しておくことで、確定申告時の負担も大きく軽減できます。
節税は特別なテクニックではなく、正しい経理管理の積み重ねです。
よくある質問(FAQ)
Q. カフェで飲む試作品のコーヒーは経費になりますか?
商品開発や品質確認のためであれば、事業関連費用として経費計上できる可能性があります。
Q. 自分の食事代は経費になりますか?
基本的に個人的な飲食代は経費になりません。
Q. カフェ視察のための交通費は経費になりますか?
事業目的であれば旅費交通費として計上できる場合があります。
Q. 店舗用のスマートフォン料金は経費になりますか?
事業利用分については通信費として計上できます。
まとめ
カフェ経営では、事業に必要な支出の多くを経費として計上できます。
特に以下の費用は見落としやすいため注意しましょう。
- 食材費
- 家賃
- 光熱費
- 消耗品費
- 広告宣伝費
- 通信費
- 設備投資費用
適切な経費計上は節税につながるだけでなく、経営状況を正しく把握するためにも重要です。
日頃から領収書やレシートを整理し、正確な記帳を心掛けましょう。
経理業務を効率化してカフェ運営に集中したい方へ
カフェ経営では、接客や仕入れ、メニュー開発など本業だけでも多くの時間が必要です。そのため、経理や記帳業務が後回しになってしまうケースも少なくありません。
記帳が遅れると経費の漏れや確定申告時の負担増加につながるため、日頃から適切な管理が重要です。
記帳代行アクリーでは、個人事業主や小規模事業者向けに記帳業務をサポートしています。経理業務の負担を軽減することで、本来注力すべき店舗運営や売上向上に時間を使いやすくなります。
経費管理や記帳に不安がある場合は、専門サービスの活用も検討してみるとよいでしょう。


